近年、持分会社(合同会社)の設立を検討しているかたが増えています。
合同会社はこんな人が会社設立する際に向いていると考えています。
・個人事業主が法人化する
・増資などで会社を大きくしていく予定がない
・少人数で信頼関係がある仲間のみで起業する
・設立費用を抑えたい
合同会社を中心に持分会社の特徴や株式会社との違いについて説明します。
持分会社の3種類の違い
「持分会社」には、合同会社、合名会社、合資会社の3つの形態があります。これら3つの最大の違いは、出資者である「社員」が負う責任の範囲と、社員の構成です。
持分会社における各形態の主な違いは以下の通りです。
1. 社員の責任の範囲
持分会社の社員には、会社の債務に対して個人の財産でも弁済義務を負う「無限責任社員」と、出資額を限度として責任を負う「有限責任社員」の2種類があります。
• 合名会社(ごうめいがいしゃ)
◦ 社員全員が「無限責任社員」で構成されます。
◦ 会社が債務を完済できない場合、社員は上限なく個人の財産で支払う義務を負うため、責任が重いのが特徴です。
個人事業主が法人化による節税のために設立するケースがあるようです。
• 合資会社(ごうしがいしゃ)
◦ 「無限責任社員」と「有限責任社員」の両方が存在します,。
◦ 無限責任を負うメンバーと、出資額の範囲内でのみ責任を負うメンバーが混在する形態です。
有限責任社員として資本だけ出す出資者を受け入れやすいメリットがあります。
• 合同会社(ごうどうがいしゃ/LLC)
◦ 社員全員が「有限責任社員」で構成されます。
◦ 出資者のリスクが限定されているため、持分会社の中で最も利用しやすく、近年設立数増えています。
2. 社員の構成(設立人数)
• 合名会社・合同会社:社員が1人でも設立可能です。
• 合資会社:無限責任社員と有限責任社員の両方がいなければならないため、最低でも2人の社員が必要となります。
3. 持分会社を利用する企業の例
• 合同会社:2006年の会社法改正で導入された最も新しい形態です。設立コストの低さからマイクロ法人に利用されます。アップルジャパンやアマゾンジャパンといった外資系企業の日本法人でも採用されています。
• 合名会社・合資会社:新規設立は少ないです。古くからの酒造メーカーさんだと稀に見かけます。
持分会社と株式会社の違いについて
| 持分会社 | 株式会社 | |
|---|---|---|
| 所有と経営 | 社員が直接経営する | 取締役などの役員が経営する。 株主は経営に携わらない。 |
| 出資者の責任 | 無限責任と有限責任がある 合同会社は有限責任のみ |
株主は有限責任 |
| 設立費用 (司法書士に依頼する場合) |
15万円程度~ | 30万円程度~ (資本金に応じて大きく変わる) |
| 定款での柔軟性 | 株式会社に比べて柔軟に設計できる | 会社法で厳格に定められている |
持分会社のデメリットは、資金調達の選択肢が限られる点です。株式を発行しないため、株式による増資が行えず、金融機関の融資に頼るケースが多いです。
役員を増やすのも難しいです。持分会社の役員は必ず出資者であることが前提です。少人数で信頼関係がある仲間のみで起業する場合に向いている会社だと言えるでしょう。
持分会社の「自由度の高い定款自治」とは?
「自由度の高い定款自治が認められている」と表現されるように、持分会社では利益の分配や重要事項の決定方法などを定款によって柔軟に設計できます。
株式会社に比べて会社法における縛りが少ないと言ってもよいでしょう。
〇利益・分配の自由設計
原則として出資比率に関わらず、独自の割合で配当(利益分配)を定款で設定可能です。
〇業務執行と代表の柔軟性
原則は社員全員が経営に携わります。定款により「特定の社員だけが業務執行を行う」といった役割分担ができます。
〇持分譲渡の制約
定款で定めた要件に基づいて、持分の譲渡を制限したり、相続時の取扱いを決めたりします。
持分が相続されて見知らぬかたが会社の経営権を持ってしまうことを防ぐことができます。
株式会社においても、定款自治は認められていますが、その内容の自由度は、持分会社の方が高くなっています …
